※再掲記事です
182: 彼氏いない歴774年 2011/02/16(水) 23:29:08 ID:7WVaehWP
長いです。すいません。

一人暮らしの喪子が家へ帰ると部屋の中から呻き声が聞こえる。
猫でも紛れ込んだか、とベランダを閉めようとするが鍵がかかっている。大丈夫、猫だよ猫。そう言い聞かせるけれど呻き声は「助けて」と聞こえる。とりあえず金属バットを手に持って部屋中を探すが人のいる気配はない。
隣の声が壁伝いに聞こえているのかな、と洗濯機を開けると。
「助けてー」
ドラミちゃんがはさまっていた。
183: 彼氏いない歴774年 2011/02/16(水) 23:31:30 ID:7WVaehWP
ドラミちゃんしか出てきません。苦手な人は数レスすいません。

とりあえずドラミちゃんを洗濯機の中から引っ張り出しこたつを挟んでお茶を飲む。
「タイムマシンが不調であなたのお家に迷い込んでしまったの。本当にごめんなさい」
律儀にこたつから出て頭を下げる。
喪子は喪女クオリティでいや大丈夫です本当お気になさらずとか言いながら脳内ですごい勢いで何でドラミちゃん!?と超テンパり。
落ちる妙な沈黙。2人はぎこちなくお茶を飲む。
お茶を飲むとドラミちゃんはまたいそいそと洗濯機の中へ入る。
「ごめんなさいね、本当。さようなら」
パタンと洗濯機の蓋を閉めようとするドラミちゃん。
「待って!」
喪子はガバッと蓋を開け、また会えるかなと聞く。小さな声で。
ドラミちゃんはきょとんとした顔をして、そしてニコッと笑う。


184: 彼氏いない歴774年 2011/02/16(水) 23:40:40 ID:7WVaehWP
その日から時々喪子の部屋からは妙な呻き声が聞こえる。そのたびに喪子は部屋中を探す。
ドラミちゃんは布団の中に挟まっていたり、鍋の中に入っていたり、電子レンジの中で目を回していたり。
「何でこんなとこに」
「ごめんね、なんだかうまくいかなくって」
電子レンジからドラミちゃんをだっこしてあげる。
喪子はいつものように楽しくおしゃべりし始めるドラミちゃんにメロンパンを差し出す。
「うわぁメロンパンだ!」
「好きだって聞いたから」
「本当に本当にありがとう」
喪子の部屋にはドラミちゃん用の可愛いコップや、座布団が増える。
喪子がネットで調べたドラミちゃんが好きなメロンパンも冷蔵庫の中に常に入っている。
ドラミが喪子の家を訪れるのはいつも突然で、続けてくる日もあれば何か月も来ない日もある。
決して長居はしないけれどドラミちゃんは未来の話や、今まで見たものの話をしてくれる。
たまに2人でテレビを見てくだらないバラエティに声をあげて笑う。
喪子はコンビニでメロンパンを買って家に帰るようになった。
ドラミちゃんが来ない日は1人でモソモソメロンパンを食べるけれどメロンパンはとってもおいしくてとても幸せな気持ちになる。


185: 彼氏いない歴774年 2011/02/16(水) 23:51:59 ID:7WVaehWP
喪子は職場の人においしいメロンパンのお店があると聞いていつしかその店の常連になっていた。
「いやぁ毎日飽きないね」
「そんな、毎日おいしいです」
パン屋の夫妻ともすっかり仲良くなり、ドラミちゃんも相変わらず家へ遊びに来てくれる。
「ねぇ喪子ちゃん」
いつものようにドラミちゃんは喪子が買ったカップでお茶を飲んでいる。
「喪子ちゃんの願い事ってなあに?いつもよくしてくれてるから私何かお礼がしたいの」
喪子は何も思いつかない。
ドラミちゃんは喪子への感謝で言ってくれているのに急速にマグカップの色が褪せて見え、メロンパンのいいにおいやバラエティの声が遠のいていく。
「喪子ちゃん?」
喪子はそれきり黙りこんでしまう。
そういえばドラミちゃんは四次元ポケットを持っていて何でも夢をかなえられる道具も持っている。
ドラミちゃんが来てくれると嬉しくてドラミちゃんがいると世界がパッと華やいだ。
けれどやっぱりドラミちゃんは違う世界の人なのだ、と喪子は思う。
食器棚の中へ帰って行くドラミちゃんに喪子の願いは叶えられない。

186: 彼氏いない歴774年 2011/02/16(水) 23:57:41 ID:7WVaehWP
喪子がいつものようにメロンパン片手に家へ帰る。今日は助けてコールは聞こえない。
何となくほっとしながら部屋へあがり靴箱を開けるとそこにはボロボロのドラミちゃんがいる。
「ドラミちゃんドラミちゃん!」
煤だらけの体、焦げたようなにおい。
「喪子ちゃん...?ごめんね」
それっきりドラミちゃんは動かない。喪子が呆然としているとインターホンが鳴り、それからしばらくしてロックをかけたはずのドアが開く。
部屋に入ってきた男は警官のような服を着て、ドラミを抱っこする。
「あなた、誰?ドラミちゃんの知り合い?」
男は警帽を脱ぎ、喪子へ一礼する。
「ドラミちゃんはあなたに会うためにずいぶん危険な橋を毎度渡っていたようです」
タイムトラベルのない喪子の部屋に来るために毎回どうやらかなり無茶をしていたらしい。
だから帰る時は洗濯機でも毎度鍋の中やら電子レンジの中から来ていたのだ。
「彼女はあなたに会うためにいくつかの法を犯しています。ドラミちゃんは回収します」
「待って、待って待って」
「この時代においてタイムトラベルの存在はありません。あなたたちが会うことは本来なかったことなのです」
泣きじゃくる喪子。やだやだとかぶりをふる。
「もう会わないほうがいいでしょう」
呆然とする喪子。
ドラミちゃんが喪子と過ごすために今までたくさんの危険をおかしてくれていたのに何も気づかなかった怒りや無神経さや情けなさで涙がこぼれる。
「警官さん、少しだけ待ってくれませんか」
この時代にいてドラミちゃんが治ることはない。傷だらけのドラミちゃんの顔を撫でる。

187: 彼氏いない歴774年 2011/02/17(木) 00:01:47 ID:YPWbK685
「行かないでっていえばよかった。ずっとここにいてって言えばよかった。おかえりって。ごめんなさい。もう会いたいなんて言いません。来てくれとも言わない。どうか元気になって。ごめんね本当にごめんね」
ドラミちゃんが偶然喪子の前に現れるまで喪子は世界に自分は孤独なのだと思っていた。
玄関の扉を開けるたび誰もいない部屋。けれどドラミちゃんが鍋の中から引き出しの中からあらわれるたび喪子の世界は変わった。
コンビニ、パン屋さん、職場の人。色々なつながりが増えた。ドラミちゃんの話す未来の話はとても楽しかった。
帰っていくドラミちゃんにこれ以上を望んではいけないと思っていた。
喪子は警官にメロンパンを託す。
「2つあるので1つはあなたが食べて下さい」
もう2人でメロンパンを食べた時間は戻らない。
「では私はこれで」
そう言って警官はドラミちゃんを抱えて洗濯機の中へ消えていく。

警官がメロンパンのお礼ですと言って未来から喪子への家の安全なトンネルを作ってくれたり、ドラミちゃんが治って遊びに来たり、同じ時代に生きているちょっと大人になったのびた夫妻との交流が始まったり。
パン屋夫妻が喪子がメロンパンを買っていくたびテンションの違うことをこっそり心配してくれていたり。
ドラミちゃんと未来旅行したり警官がたまにメロンパン食べに来たりそんな警官にドラミちゃんが喪子ちゃんに近づかないでよねって言ったりそんな2人のやりとりをのんびり喪子が見つめたり。

最初家にドラミちゃんがいたら楽しいだろうなとか思ったら想像以上にたかぶりすぎました。
ピカチュウでもよかったかもしれません。長々すいませんでした。

188: 彼氏いない歴774年 2011/02/17(木) 00:18:56 ID:i620nKdj
>>182-187
ドラミちゃん意識したことなかったけど
すごくいい!

189: 彼氏いない歴774年 2011/02/17(木) 00:36:44 ID:XHh7TMrd
あああドラミちゃん!!!
なんかちょっとうるっとしてしまったよ!

192: 彼氏いない歴774年 2011/02/17(木) 06:49:08 ID:I/gciibW
>>182-187
いいね
ドラミちゃん好きだからすごく萌えたよ

197: 彼氏いない歴774年 2011/02/18(金) 01:06:41 ID:S30woksc
>>182-187
ドラミちゃんいいなぁて思えた。異次元の友達っていいね。

そんな自分はローゼンメイデンが欲しい。

214: 彼氏いない歴774年 2011/02/20(日) 23:05:30.76 ID:/RyIWzpP
>>188>>189>>192>>197
ドラミちゃんレスありがとうございました。
ローゼンメイデンをググったら可愛すぎて気になりすぎてパソの前で悶えました。

354: 彼氏いない歴774年 2011/03/17(木) 00:35:55.49 ID:k9xHSiXw
>>182
ドラミちゃんいいね…泣いてしもた


引用元:人に言えないような恥ずかしい妄想を書き込むスレ10
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