引用元:◇ 心霊ちょっといい話 in ほのぼの絵にっき ◇
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39: なーなしさん! 2015/07/19(日) 21:50:38 ID:
心霊なのか分かんないけど、夏になると思い出す不思議な体験。長くて読みづらかったらごめん。


私の地元は東北の小さな町。
畑や田んぼばっかりで、子供もいないわけじゃないけど少ない方。
また、田舎の人はよく分かると思うけど、一軒一軒が離れてて、友達と毎日遊ぶにも距離があるから1人で遊ぶことが多かった。


小2の夏休み。
私は庭先で1人トンボを捕まえようとしていた。
でも、一度噛まれたことがあって怖くてうまくいかない。
それを兄にバカにされていたこともあって、ムキになって何とか克服しようとしていた。


ふいに、「こんにちは」と声をかけられた。
見ると、浅黒い肌で黒髪のショートカット、黄色いチェックのノースリーブワンピを来た女の子がいた。
ひまわりみたいだな、と思った。
私よりもちょっとお姉さんで、近所でも学校でも見たことがない。


「どこのお姉さん?」

と聞くと、3軒隣の家に住んでいるという。
その家に子供がいた覚えはないけれど、そこでは白い大きな犬を飼っていて、見かけるとよく吠えられたので、私からその家に近づくことはなかった。

私がたまたま知らなかっただけかもしれないと、その時はあまり疑問に感じなかった。


「何をしているの?」

というので、トンボを捕まえられないこと、それが原因で兄にバカにされることを話すと、ニッコリ「教えてあげる!」と言ってくれた。
名前をYちゃんと言って、私と名前の響きが近いこともありすぐに打ち解けた。


「こうやって指をくるくる回して~…、羽が下がったら…横から羽をパッと!」


手にはトンボが捕まれていた。
すごい!と興奮したが、私がやっても怖さが勝ってしまい逃げられてしまう。
またちょこちょこ来るから、一緒に捕まえられるようになろうと言って、しばらくしたら帰っていった。

その日から、庭に出ているといつの間にかその子が来る。
特に日を決めて約束していたわけじゃないけれど、1人で庭にいると必ず。


いつもトンボを捕っていたわけじゃなく、シロツメ草で花冠を作ったり、空き地で追いかけっこをしたりした。
でも、Yちゃんの家に行って遊ぶことはなかった。


夏休みが終わりに近づいた日、ケンカをした。
いつもは優しいのに、その日に限ってすごく不機嫌。
理由を聞くと、いつまでそのままでいるのか、という。

相変わらず私はトンボが捕れなくて、イライラさせてしまったようだった。
そんな言われ方をしたのがすごく悔しくて悲しくて、捕まえてやる!と涙目で言い返した。


教えられた通り、指をくるくる回してタイミングを図る。
いつもならここでマゴマゴして逃げられるが、悔しかったこともあって勢いで羽を掴めた。

やった!どうだ!!
と、Yちゃんを見るといつもの顔で、ニッコリ。

「良かった。もうお兄ちゃんにもバカにされないね。バイバイ!」

笑顔で帰って行った。


その日から急にYちゃんは来なくなった。
学校が始まって探してみても、どこにもいない。
病気で休んでるのかもしれない、と待ってみたがいつまで経っても来ない。


痺れを切らして、家に行くことにした。
ダッシュで犬をやり過ごして、外に出ていたお家のおじさんにYちゃんは?と聞くと、そんな子はいないと言う。
でも、確かにここの家だと言った。しかし親戚にも女の子はいないという。


帰って親や祖父母、兄にも泣きながらYちゃんという子がいたはずだ、と訴えたが、近所でそんな名前の子知らないと返されてしまう。
そんなはずない、だって名前も顔も、声もしっかり覚えてる!服だって覚えてる!と言った時、Yちゃんがいつも同じ服だったことに気付いた。
毎日会うわけじゃなかったから気にしてなかったけど、いつも同じワンピっていうのは考えてみたらおかしかった。


未だに、Yちゃんが何だったのか分からない。
ホームレスの子っていうのも大きくなってから考えてみたけど、少なくとも近所にホームレスはいなかったし、いつも身体も服もキレイだった。

トンボが捕れないのが情けなさすぎて出てきた、座敷わらしみたいなものなんじゃないかと思うことにしている。